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消灯後の部屋、遥は輪の真ん中に座らされていた。布団の山に押し込まれたあと、今度は「王様ゲーム」と称して命令が飛ぶ。矛先はもちろん遥だ。
「上着脱げよ。暑いだろ?」
誰かが言い、すぐに数人の手が伸びる。抵抗しても腕を押さえられ、ジャージのファスナーを乱暴に下ろされる。肌着一枚になった遥の身体に冷たい夜気が触れ、ぞわりと鳥肌が立つ。その反応さえも笑い声の餌になった。
「おー、意外と細いな」
「ほら、モデル立ちしてみろよ」
遥は立たされ、足を開けと命じられる。ポーズを取らされるたび、フラッシュが光った。スマホのシャッター音がやけに大きく響く。写真を撮られているのはわかる。だが声を上げたらもっと酷くなる。だから、必死に耐え、ぎこちない笑顔を作る。その必死さがまた、彼らにとって格好の娯楽だった。
「笑えよ、ほら、もっと」
頬をつねられ、無理に口角を上げさせられる。
「似合ってんじゃん、女子みたい」
「こいつならスカート履かせたら映えるだろ」
笑いが爆発する。誰かが持ってきた旅館の浴衣をひっくり返し、無理やり遥に羽織らせる。帯を高い位置で結ばれ、「ほら、ポーズ取れよ」と囃し立てられる。畳の上に立たされたその姿は、完全に「見せ物」だった。
「おい、胸触ってみろよ、あるかもしれねーぞ」
囁くような声に、手が遥の胸元を突いた。驚きに息が漏れる。
「反応した反応した!」とまた笑い声が広がる。
遥は震えながら「やめろ」と小さく口にする。しかしその声は布団の中に消え、誰の耳にも届かない。届いたとしても、笑いを増す燃料にしかならなかった。
照らされ、触れられ、笑われる。
裸にされているわけではないのに、全身がさらけ出されているような羞恥に焼かれる。身体の内側まで見透かされ、弄ばれている錯覚。
「こいつ、今赤くなってるぞ」
「恥ずかしいんじゃね?」
逃げ場のない夜の部屋。
遥の必死の耐えと作り笑いが、彼らの残酷な遊びをさらに加速させていった。