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雪
2,711
#和風ファンタジー
教室は、何も変わっていなかった。 机も、椅子も、黒板も。 ただ、“一つも減っていない”。 刑事は、教室の後ろに立っている。
教師
淡々とした声。
刑事
教師
刑事は、ゆっくりと歩く。 窓際の席の前で止まる。
刑事
教師
一瞬の間。 教師の視線が、わずかに逸れる。
刑事
教師
刑事
教師
言い直す。
教師
刑事
教師
刑事
教師
刑事
教師
刑事は振り返る。
刑事
教師の喉が、わずかに鳴る。
教師
刑事
教師
答えない。 刑事は机に手を置く。 その瞬間。微かに、沈む。 刑事の動きが止まる。
刑事
ゆっくりと、手を離す。 何もない。ただの机。 刑事は、何も言わない。
職員室。
刑事
教師
刑事
教師
刑事
教師
刑事
教師
強い言い方。 刑事は視線を外さない。
刑事
教師
刑事
教師
刑事
教師
刑事
教師
即答。
教師
刑事
教師
教師の額に汗が浮く。
教師
小さな声。刑事の目が細くなる。
刑事
教師
止まる。言い直す。
教師
刑事
教師
刑事
教師
刑事
教師
刑事
教師
刑事
教師
思わず声が上がる。 職員室が静まる。 教師は息を整える。
教師
刑事
教師
答えられない。
夜。 誰もいない教室。 刑事は一人で入る。 電気はつけない。月明かりだけ。 窓際の席に近づく。
刑事
返事はない。 刑事は、ゆっくりと椅子を引く。 座る。その瞬間。 “重い”。 まるで、誰かの上に座っているみたいに。
刑事
立ち上がる。椅子を見る。 何もない。 刑事は息を吐く。
刑事
そのとき。 黒板。チョークの音。キィ、と。 誰もいないはずなのに。 文字が、書かれていく。 ゆっくりと。 歪んだ字。
『きのう』
止まる。 次の一行。
『なまえ』
刑事は動けない。 さらに、書かれる。
『よばれなかった』
刑事
声が震える。 教室の奥。気配。 誰かが立っている。 暗くて、顔は見えない。 ただ、“そこにいる”。
刑事
沈黙。 その影が、一歩近づく。 床が、軋む。 刑事の喉が乾く。
刑事
影は、止まる。 そして。ゆっくりと、首を傾ける。
柊
声。はっきりと。教室に響く。
柊
刑事の背中に冷たい汗が流れる。
刑事
柊
一歩、近づく。
柊
刑事
否定できない。 映像を見た。知っている。
柊
さらに近づく。
柊
刑事
言葉が出ない。
柊
すぐ後ろ。 気配が、すぐそこにある。
柊
刑事の肩に、何かが触れる。 冷たい手。
刑事
振り払う。 何もいない。 だが。黒板。新しい文字。
『せんせい』
その下に。
『けいじ』
刑事の呼吸が止まる。
柊
耳元。すぐ近くで。
柊
刑事
振り返る。誰もいない。 教室は、静まり返っている。
翌日。 教室。担任が立っている。 いつも通り。出席簿を開く。
教師
名前を呼ぶ。一人ずつ。 何事もなく進む。 最後。担任が、一瞬だけ止まる。 何かを思い出すように。
教師
出席簿を閉じる。 欠席者はいない。 机は、すべて埋まっている。 一席も、空いていない。
職員室。
教師A
教師B
教師A
教師C
誰も続けない。
教師C
一人が、ふと呟く。空気が止まる。
教師A
教師B
思い出そうとして、やめる。
教師B
教師A
あっさり引く。 それ以上、誰も考えない。 机の上。書類が一つ、残っている。 未処理のまま。 表紙。担当者名の欄。空白。 最初から、誰もいなかったみたいに。
教室。
教師
変わらない声。 変わらない風景。 誰も足りない気がしない。 黒板。誰もいない放課後。 チョークが、勝手に動く。
『みてたよね』
一度、止まる。 ゆっくりと、続きが書かれる。
『つぎ』