テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
ブッ!!!! 教室中。全員のスマホ。同時通知。
結衣
結衣が、スマホを投げる。床。 ガンッ!! でも。ブッ。割れてない画面が、勝手に点灯する。
【未読1件】
送り主:【朝比奈透】
凛
凛の声が震える。
伊織
奈央が、恐る恐る通知を開く。 その瞬間。奈央の顔色が変わる。
奈央
伊織
奈央が、震える手で画面を見せる。
【見えてる?】
透の呼吸が止まる。 それ。自分に届いていた文だ。 次。伊織。
【無視しないで】
結衣。
【返事して】
凛。
【あとで返す?】
全員違う。でも。全部。 “返されなかった側”の言葉。
透
理解してしまう。 未読は、増殖している。しかも。 今度は、“透を通して”。 その時。教室後ろ。 “透”が、 ゆっくり立ち上がる。 ギ……。 椅子の音。全員硬直。 “透”は、スマホを見ながら歩き始める。 ゆっくり。足音なし。でも。床だけ軋む。 ギ……。 ギ……。
結衣
結衣が、涙を流しながら後ずさる。 “透”は、 止まらない。 顔。ノイズ。でも。笑っている。
“透”『既読ついてるよ』
その声。透自身の声だった。
奈央
奈央が、スマホを落とす。 ブッ。 床のスマホ。勝手に返信欄が開く。 カーソル点滅。入力予測。
【ごめん】
【あとで返す】
【気づかなかった】
奈央
奈央が、後ずさる。 “透”が、奈央の前で止まる。至近距離。
“透”『何で返してくれなかったの?』
奈央
“透”『見えてたよね?』
その瞬間。奈央のスマホ。 ブッ!!
【未読5件】
一気に増える。
奈央
奈央の輪郭が、一瞬揺れる。
透
白石と同じ。存在が、薄くなり始めてる。
伊織
伊織が叫ぶ。
伊織
透
伊織
透の胸が痛む。 違う。でも。否定できない。 白石に返信した。その瞬間、移った。 じゃあ。今度は、自分が“渡してる”。 その時。教室の電気。点滅。 パッ。 暗転。 パッ。 一瞬明るくなる。 その瞬間。教室中。“人”が増えていた。 全員、スマホを持っている。ぼやけた人影。 顔がない。でも。画面だけ光っている。 パッ。
暗転。 パッ。 さらに増える。
伊織
結衣が、崩れるみたいに座り込む。 人影達が、一斉にスマホを持ち上げる。 ブッ。 ブッ。 ブッ。 大量通知。透の頭が痛む。 その時。“透”が、ゆっくり本物の透を見る。 そして。笑った。
『もうお前も未読側だよ』
瞬間。透のスマホ。インカメラ起動。 映った自分。顔の半分が、 消えていた。
『お餅』🌹
361
るしゅ