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放課後。教室には数人だけ残っている。 蓮司も日下部もいない。 遥は早く帰ろうとしていた。 鞄を持つ。 その時。
C
足が止まる。振り返る。三人。 笑っている。でも目だけ冷たい。
A
B
遥
C
笑い。
遥
A
道を塞がれる。遥の肩が強くなる。
B
C
その言い方。その空気。遥の呼吸が少し浅くなる。
A
B
C
遥
A
小さい声。
B
頭の奥が止まる。
遥
C
笑い。耳鳴り。
A
B
C
遥
視界が揺れる。教室が遠い。
A
B
C
笑い声。昔と同じ。 狭い場所。逃げられない感じ。 押さえられる腕。息。近い声。
遥
呼吸が入らない。
A
B
遥は後ろへ下がる。椅子にぶつかる。 ガタン。
C
肩に手が伸びる。その瞬間。
遥
大きい声。教室が止まる。遥自身が一番驚いている。
A
遥の呼吸が崩れる。手が震える。視界が定まらない。
B
C
遥
違う。違う。でも声にならない。
A
ガラッ!!扉が開く。
蓮司
空気が凍る。日下部も後ろにいる。 遥はもう立てない。壁際で呼吸だけしている。 蓮司は遥を見る。 顔色。震え。怯え方。一瞬で空気が変わる。
蓮司
笑っていない。
B
日下部
C
蓮司
静か。誰もすぐ答えない。 遥の呼吸音だけが変に響く。 日下部は遥の前にしゃがむ。
日下部
遥
日下部
遥の視線はもう過去を見ている。今じゃない。
日下部
遥
掠れている。蓮司は後ろを振り返る。
蓮司
低い声。
A
蓮司
空気が変わる。 さっきまで笑っていた三人が、黙って教室を出る。 扉が閉まる。静か。 遥はまだ震えている。 腕を掴まれる感覚が残っている。 声も。笑い方も。全部。
蓮司
遥
蓮司
遥
でも体だけが、まだ“あの時”から戻れていなかった。