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コメント
2件
うわあああ、続きが気になりすぎる!!
眠狂四郎
オレンジタイフーン
#一次創作
放課後。 教室には数人だけ残っている。 段ボール。 ガムテープ。 ポスター。 文化祭準備の途中。
A
声が飛ぶ。 遥は持っていた箱を動かす。 机の脚に引っかかる。
ガタン。
一瞬だけ、空気が止まる。
B
誰かが息を漏らす。
C
小さく。
遥
D
別に、の言い方じゃない。
A
B
C
笑い混じり。
遥
箱を持ち直そうとする。
D
反射みたいに言われる。手が止まる。
A
B
C
D
遥
また言う。
A
笑われる。
B
C
D
A
遥
息が浅い。耳だけ熱い。
B
誰かがガムテープを机に叩きつける。
B
ビクッと肩が跳ねる。 それを見て、また笑う。
C
D
A
遥
視界が少し揺れる。 声が遠い。 でも全部聞こえる。
B
C
D
A
遥
手が動かない。箱を持ったまま止まる。
B
C
D
遥
呼吸。浅い。うまく吸えない。 頭の奥がじわじわ熱い。でも寒い。
A
遥
B
C
D
笑い。 笑い声。 また笑い。
遥
駄目だ、と思う。 何が駄目なのかは分からない。 ただ、もう無理だと思う。 急に。 本当に急に。
遥
小さい。 でも、教室が止まるには十分だった。
A
遥
震えている。声も、手も。
B
C
遥
違う。 言いたいことは違う。 でも言葉にならない。 頭の中で全部絡まる。
遥
喉が詰まる。
遥
息。苦しい。
遥
涙ではない。でも視界が滲む。
D
A
遥
言葉が出ない。 代わりに、机を蹴る。
ガン!!
大きな音。 教室が完全に静まる。 遥自身が一番驚いている。 足が震える。息が切れる。
B
誰かが引く。
C
D
遥
もう止まらない。止め方が分からない。
遥
机を掴む。爪が白くなる。
遥
呼吸が崩れる。 過呼吸みたいに浅く速くなる。
A
B
C
遥
言葉が千切れる。
遥
遥
遥
駄目だ。 全部遅い。 全部詰まる。 全部伝わらない。 視界がぐらぐらする。 その時。後ろの扉が開く。
蓮司
軽い声。 でも空気だけ変わる。 日下部は教室を一周見て、遥を見る。 息。震え。机を掴む手。全部見て。
日下部
小さく言う。
遥
蓮司
いつもと同じ声。 それだけで。 張っていたものが、少しだけ切れる。
遥
力が抜ける。 その場にしゃがみ込む。 教室の誰も動けない。 遥だけが、壊れたみたいに呼吸している。