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眠狂四郎
オレンジタイフーン
#一次創作
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休み時間。 蓮司はいない。 日下部も呼び出されて教室を出ている。 遥は席で下を向いている。 なるべく小さく。 なるべく視界に入らないように。
A
小さい声。 遥の机に影が落ちる。 顔を上げる。 笑っている。でも目は笑っていない。
B
周りから見れば、普通の会話。
遥
C
軽い声。
遥
D
後ろで笑い。小さい。でも聞こえる。
A
机にプリントが置かれる。
B
遥
受け取る。
C
笑う。周りも少し笑う。
遥
D
また笑い。 遥は立ち上がる。廊下に出る。 背中に視線。 聞こえるような、聞こえないような声。
A
B
C
遥
足が止まりそうになる。 でも止まれない。 戻った時には、机の上のペンケースが床に落ちている。 遥はしゃがむ。
D
嘘だ。でも誰も何も言わない。
遥
A
笑い。 遥は拾う。 ファスナーが少し壊れている。 でも何も言わない。 言ったら、“面倒”になる。 授業。グループ作業。 遥だけ、椅子が少し離れている。 わざとじゃないみたいに。 でも、毎回そう。
B
小さく言われる。
遥
椅子を引く。
C
遥
D
A
笑い。教師が近づくと、空気が変わる。
B
C
普通。何もない教室。 遥だけが知っている。 この空気の切り替わりを。 放課後。
蓮司
遥
蓮司
遥
日下部
遥
即答。 日下部は少しだけ遥を見る。 でも、それ以上は聞かない。 遥も言わない。 言ったところで。証拠はない。 全部、小さい。 全部、“気のせい”で通る。
蓮司
遥
うまく笑えた気がした。 だから、多分大丈夫。 そういうことにする。 でも。帰る時。 鞄を持った瞬間、後ろから小さく声。
D
遥の手が止まる。 振り返る頃には、もう誰もこっちを見ていない。