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『お餅』🌹
361
るしゅ
昼休み終了後。結衣は、保健室へ連れて行かれた。 でも。誰も安心していなかった。 教室。静か。異常なくらい。 みんな、スマホを伏せている。 見たくない。でも。見ない方が怖い。 そんな空気。 透は、窓際を見る。さっきまでいた、“外の結衣”。 もういない。 でも。窓ガラスには、手形だけ残っていた。 内側からじゃない。外側。四階の。ありえない位置。
凛
突然。低い声。 透が顔を向ける。凛だった。 机に肘をつきながら、透を見ている。
凛
透
伊織
凛
凛が、急に声を荒げる。
凛
教室が静まる。
凛
透の胸が痛む。違う。 ……本当に? 白石に返信した。そこから移った。 結衣にも、通知が届いた。 じゃあ。自分が中心なのか。
奈央
小さい声。
凛
奈央
凛
凛の目。限界だった。 寝不足。恐怖。イライラ。全部混ざってる。
凛
凛が、スマホを強く握る。
凛
ブッ。 全員凍る。凛のスマホ。画面点灯。
【未読11件】
凛
一気に。増えていた。
伊織
凛が、ゆっくり後ずさる。画面。
送り主:【久我凛】
凛
開く。
【見えてる?】
凛
次。
【今どこ?】
次。
【返して】
凛の顔色が消える。 白石。 透。 結衣。 みんなと同じ流れ。 その時。教室スピーカー。 ガガッ。 ノイズ。全員が見上げる。 放送室。誰も触ってないはず。 ザーッ…… そして。声。
『……みんな』
女子が悲鳴を飲み込む。その声。 結衣だった。 でも。少し違う。音が遠い。通信越しみたい。
『聞こえてる?』
ガガッ。 ノイズ。
『返事してよ』
凛
放送室からじゃない。校内全部から聞こえる。 廊下。天井。壁。 スピーカーのない場所からも。
『ねぇ』
『何で見ないの?』
透の頭が痛くなる。 その瞬間。透のスマホ。 勝手に、ボイスメモ再生。 ザーッ…… そして。
『透』
白石の声。透の呼吸が止まる。
『やっと分かった?』
ノイズ。
『未読って』
『返事が来ないことじゃない』
教室の空気が冷える。
『存在を後回しにされることなんだよ』
透
誰も喋れない。白石の声だけ響く。
『大丈夫』
『あとで返す』
『今無理』
一つ一つ。軽い言葉。でも。
『待ってる側は』
『ずっと画面見てる』
透の胸が締め付けられる。 白石だけじゃない。 誰でも。やる。軽く。悪気なく。 でも。積み重なる。 その時。凛が突然、 立ち上がる。 ガタン!!
凛
絶叫。
凛
凛の目に涙が浮かぶ。
凛
その瞬間。教室後ろ。 ギ……。 全員振り向く。白石の席。そこに。 “凛”が座っていた。スマホを持って。笑いながら。
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