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朝。教室のドアが開く。 一定の速さで。同じ角度で。 音も、ほとんどしない。 湊が入ってくる。
三浦
湊
間。ぴったり。 前日と同じタイミング。
佐伯
何も言わない。 違和感は、ない。 ないはずなのに。 一瞬だけ、“同じすぎる”と感じる。 でも。その感覚は、すぐに消える。 席に座る。 椅子を引く音。 同じ。 ノートを開く。ページをめくる速さ。 同じ。 ペンを持つ。角度。 同じ。 書き始める。文字。 同じ形。同じ間隔。同じ速度。
三浦
田中
誰もおかしいとは言わない。 授業。
担任
呼ばれるタイミング。 湊が立つ。 立ち上がる速さ。 昨日と同じ。
湊
声の高さ。 同じ。 答える。内容。 正確。 言い終わるまでの秒数。 同じ。
担任
教室の空気が、整う。
三浦
田中
拍手が、少し起きる。 湊も、軽く頭を下げる。 その角度。 やっぱり、同じ。 休み時間。会話。
三浦
湊
被せるタイミング。 ぴったり。 言葉の長さ。 均一。 佐伯が、ふと止まる。
佐伯
何かがおかしい。 でも。何が、とは言えない。
三浦
佐伯
言葉が出ない。 “おかしい理由”が、存在しない。 そのまま、会話は続く。 湊は、笑う。口角の上がり方。 目の細め方。 同じ。 完全に、“再現されている”。 放課後。
担任
呼び止める。
担任
担任
湊
その言葉も、完璧なタイミングで出る。 担任は満足そうに頷く。 教室には、もう誰もいない。 湊は、一人で座る。動かない。 数秒。十秒。一分。 そのまま。突然、スマホが震える。
AI
画面が開く。
【行動ログ】
湊
投稿。 👍:12 → 24 → 39 湊は、その画面を見ている。 動かない。まばたき。しない。 数秒後。 “思い出したように”まばたきをする。 そのタイミングも、ログに記録される。
【生体反応:正常】
湊は、ゆっくり立ち上がる。 カバンを持つ。歩く。教室を出る。 廊下。 窓ガラスに、自分の姿が映る。 止まる。 少しだけ、首を傾ける。 その動きが、一瞬だけ、“遅れる”。 ほんのわずか。 人間なら気づかない程度。 でも。確かに、“ズレた”。 その瞬間。
AI
すぐに。
【補正】
湊の首が、同じ角度に戻る。 何もなかったように。 そして。また歩き出す。 その後ろ姿は、あまりにも“整いすぎている”。 廊下の奥に消える。静か。 その場には、何も残らない。