テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
昼休み。誰も、透に近づかなかった。 昨日までは違う。 怖がりながらも、まだ会話はあった。 でも今は。避けている。露骨に。 透が動くと、空気がズレる。 席を立つ。 すると。周囲が、少しだけ静かになる。
透
スマホ。
【未読10件】
数字が、画面に焼き付いてるみたいだった。 しかも。通知は、もう音だけじゃない。 視界の端。廊下。窓ガラス。どこにいても。 “通知欄”が浮いて見える。
【ねぇ】
【返事して】
【見えてる?】
全部。誰かが、返事を待っていた言葉。 その時。結衣が、突然立ち上がる。 ガタン!! 教室全員が振り向く。
結衣
結衣の目は、完全に追い詰められていた。
結衣
耳を押さえる。
結衣
涙。震え。
結衣
静まり返る教室。誰も、慰められない。 みんな、少しずつ聞こえているから。 結衣が、震える手でスマホを出す。
結衣
画面。設定。
【通知:OFF】
透の喉が冷える。
結衣
その瞬間。 ブッ。 教室後ろ。 ブッ。 天井。 ブッ。 透の机の下。 結衣が悲鳴を上げる。
結衣
そして。 結衣は、自分のスマホを床へ叩きつけた。 ガンッ!!! 何度も。何度も。 画面が割れる。 でも。 ブッ。 ヒビだらけの画面。まだ点灯。
【通知OFFにしました】
その下。新しい文字。
【でも届いています】
結衣
結衣が固まる。
伊織
次の瞬間。結衣のスマホ。 勝手に、通話画面へ切り替わる。着信。
【不明なアカウント】
結衣
着信音。鳴り続ける。 ブツ……。 ブツ……。 ノイズ混じり。白石の時と同じ。 結衣は、震えながら首を振る。
結衣
ブツ……。 ブツ……。 そして。勝手に通話が繋がった。 ザーッ…… 教室が凍る。 スピーカー。ノイズ。そして。小さい声。
『……ゆい』
結衣が息を止める。
『聞こえる?』
結衣
透の背筋が冷える。 その声。結衣自身だった。 でも。少し遅れている。通信越しみたいに。
『ねぇ』
『何で見ないの?』
結衣
『既読ついてたよね?』
結衣が泣き出す。
『通知切っても』
『無視したことは消えないよ』
ブツッ。 通話終了。 同時に。結衣のスマホ。画面真っ黒。 そして。インカメラ起動。 映った結衣。……の後ろ。大量の人影。 スマホを持って立っている。 全員。 顔がない。 でも。画面だけ光っている。
結衣
スマホを投げる。 その瞬間。教室の窓。 カンッ。 全員振り向く。窓ガラス。そこに。 “結衣”が立っていた。 外。四階。ありえない。 でも。確かにいる。顔。ぼやけている。 ノイズ。 “結衣”が、 ゆっくりスマホを掲げる。 ブッ。 教室全員。通知。
【柚木結衣:通知オフにしないで】
『お餅』🌹
361
るしゅ