平安時代、和風ファンタジー
近衛少将、中将を経て、政治の中心へ参画する事が約束されている武官家の事を、羽林家(うりんけ)と呼ぶ。
その名門羽林家の姫、大納言守近の娘、守恵子(もりえこ)は、密かに入内する事を期待されていた。
お年頃の守恵子は、外の世界、都の流行り事が気になってしまい、幼馴染みでもある屋敷の使用人達と、都の噂を語り合う。
が、そのなかに、何故か、眉目秀麗な陰陽師も含まれていた。
持ち込まれる、奇っ怪な話やら他家のゴタゴタ話やらの、ふたを開けると、何故か、守恵子の入内話へ繋がっていき、些細な出来事の中に見え隠れする陰謀に気付いた皆は、守恵子を守ろうと結束する。
そして、大納言家が、賊に狙われている事を突き止めてしまった皆は、あれこれ、策を練る。
一方、守恵子は、護身用と称する、鯨尺(ものさし)片手に、愛犬、タマと、賊へ立ち向かおうとするが……。